農学部の人が農家にならない理由

f:id:satoruob:20180730200832p:plain

こんにちは

 

悟です

今回は、私の在籍する農学部の就職事情についてお話しします。

 

農学部について知りたい人、農学部を受験しようか悩んでいる受験生はこちらの記事から読むと、理解が深まると思います!

 

www.satorublog.com

 

 

 

 

 

農学部の主な就職先

まずは農学部の専攻別で就職先を挙げてみます。

 

バイオ系→食品、食品加工メーカー、化学メーカー

農業工学系→土木会社、機械メーカー

農学系→肥料会社、種苗会社、公務員

 

農学部のメジャーな専攻を3つピックアップしてみました。

多くの人はこれらの企業、あるいはそれに近い分野で就職を目指します。

農学部がよく言われることですが、金融や小売業など、専攻と関わりの薄い、いわゆる文系の就職先に入る人も多いです。

 

また、同じ偏差値の大学と比べた時に、理学部や工学部に比べて大学院進学率が低い傾向にあります。

 

そして、ここで気づくと思います。

 

あれ?農学部なのに農家になる人は居ないの?

 

はい、いません。

 

 

なぜ農学部は農家にならないのか?

農学部なのに農家にならないのはもはや常識過ぎて誰も疑っていないレベルです(笑)

大学内でも就職の話をしていて、銀行やスーパーの名前が出ることはあっても農家になるなんて話は出たことがありません。

 

ではなぜ農家にならないのか、農学部である私が考えてみました。

 

そもそも農業を勉強していない

これまでの大学での学びを振り返ってまず思ったのは農業についての勉強をほとんどしていないということです。

農薬や植物生理、農業機械など農業を発展させるような内容は学びます。

しかし、具体的な農薬の散布方法や機械の操作などは一切学びません。

これでは卒業しても農業をするような人材は出てこないでしょう。

 

もっとも、大学に来て農薬の散布方法や機械の操作を学ぶのは効率が悪すぎるので、勉強内容に加えるべきだとは全く思っていません。

 

やはり過酷な仕事

近年は農業の機械化も進み、自動化へとシフトしつつありますが、やはり農業は過酷な仕事です。

家庭菜園レベルならまだしも、何ヘクタールもある農場のダイコンを未だに素手で収穫しているようでは話になりません。

 

不確実性が大きい

先日も豪雨がありましたが、農業は現在主流の露地栽培(普通の畑)やビニールハウス程度では自然の影響をモロに受けてしまいます。

 

雨が続いて浸水してしまったら全てパー、日照りが続いて枯れてしまってもパー、台風で茎が折れてもパー。

 

現在の農業は、収穫物を売って初めて利益になるのが基本なので、収穫する前にいくら損害が出ても誰も助けてくれません。

自分の生活の柱にするにはリスクが高すぎるのです。

 

どうすれば農家になってくれる?

では、どうすれば農家になってくれるのでしょうか。

ここは、私がどんな条件なら農家になるかという点で考えました。

 

儲かる

やはり農業がビジネスとして儲からなければしたいとは思えません。

自分個人が儲かるというよりは農業自体の話ですが、自分の人生の4分の1くらいは仕事になると思うので、そういった大事な部分を将来性の乏しいエリアで終わらせようとはなりません。

 

会社として組織されている

農地にしても農業機械にしても農業を1から始めるにはお金がかかります。

普通に起業するより難易度が高いかもしれません。

会社として組織されて、ビジネスとしての流れが出来ていれば就職の選択肢も出てくると思います。

 

過酷ではない

農業をするとなるとどうしても現場が中心になります。

そうなると、オフィス勤務に比べて肉体的にもきつく、わざわざ大学を卒業して自分の体が資本の仕事をしたいとはなかなか思えません。

 

 

 

今最も必要なのは生産者

色々と話して来ましたが、現在の農学部では日本の農業を変えることは難しいでしょう。

いくら品種改良をしたり、農薬や農業機械を開発したところで、それを使う人は年々減少しています。

農学部の授業の第1回目にほぼ決まって言われることがあります。

 

「日本の農業就業者人口は年々減少しており、高齢化も進んでいる」

 

だから、新しい農業機械が必要だ。

だから、管理作業の少なくて済む病気に強い作物が必要だ

 

このように授業が始まっていきます。

いくら大学で農業を効率よくする研究をしても実際に国内で生産量が大幅に増える事はないでしょう。

 

もちろん、農学部が農作業を実際に行う人を育てるべきだとは思いません。

そういった人たちは農業大学校と呼ばれる学校もありますし、各自治体で新規就農者を指導する取り組みもあります。

 

それよりもこれまで農業と関係のなかった新しい分野と一緒になって現在の農業の仕組みを根本から変えていくような研究が必要だと思います。

 

情報技術を取り入れたスマート農業や、工学技術を取り入れた植物工場などの新しい農業の形を農学部全体として作っていくことが必要です。

 

このまま、自然に左右される不安定な形で農業を放っておくと、大卒はもちろん、誰も農業をやりたいと思わなくなってしまいます。